受講者の理解度4.2のハイスコア
12/1 教材資料へのリンクを末尾に追記
11/21水、午後一時半から市民活動センター会議室において、出前講座を開きました。参加者は15名、講師は上尾市行政経営部、財政課の堀部様です。
出前講座は、依頼側市民が場所や費用を負担するものです。財政課からは30スライドのPowerPointファイルをいただき、当会がを教材として印刷し、参加者には印刷代100円を負担願いました。
講義内容は一時間。5つのテーマと要旨です
1. 平成30年度予算規模・・・年々増えているという10年間グラフ
2. 歳入の状況・・・市税が48% を占めるが300億円で横這い(過去最高はH19年)、法人市民税が減少している。地方交付税の解説、並びに臨時財政対策債という国の肩代わりの話しは生々しいものがありました。借金である地方債残高を減らしている説明では、ハコモノに使った借金を順調に減らし、6年間で107億減らしました(地方債の現在残高は822億円)。一人当り36万円は県内では少ないほうとのこと。
反面、市に借金をさせることで生活依存する人にはストレス要因です。長年減らしていると、もう十分だろう今後は積み増したらどうだ、という意見が出る可能性はあります。
3. 歳出の状況・・・目的別よりも性質別視点から見る事を教えてくれました。その説明が4です。
4. 平成28年度決算の状況・・・傾向として義務費(毎年決まって払わねばならない、容易に減らせない費用)の増加を指摘されました。その内訳の10年間変化を示し、①人件費は28億減、②扶助費(社会保障)は96億増、③公債費(借金返済)はほぼ横ばい。②の上昇が財務指標である経常収支比率の上昇につながっているようです。
5. 財政構造・・・第二の夕張市を出すなの目的で設けられた健全化判断比率では上尾市の現状は問題ありません(そもそもこの基準に接近するようでは話しになりません)。基金積立金(貯金)の残高推移もありました。
広報あげおでも、年に数回、財政情報を伝えますが、それは単年度の解説です。今回の資料が優れているのは10年間時系列のグラフや値を示していることです。健康診断と同じく、1年間の値のみでは意味がありません、変化を見ることが大切なので、貴重な資料です。(本ファイルは、著作元の上尾市財政課の許可が得られればネット公開を予定します)
質問は10点ほどです(1時間の講義にしては多い)。参加者の予備知識や理解度・価値観はさまざまですから、難しい点もありますが、嫌な顔一つせず熱意と誠意あるご説明をいただき、30分予定が45分となりました。
ご存知のように今は予算編成の多忙な時です。前日に管理職の方から連絡を頂きましたが、23時のメールです。改めて財政課の皆様にお礼を申し上げます。
アンケートは理解度を五段階で問い、平均点4.2は高スコアーとなりました。これはほぼ満足度評価とみなせます。当会としても実施した甲斐がありました。
なお質疑形式は「質問して回答」の一往復のため、もう少し深く問いたい点もあり、アンケートに書かれた他質問と合わせて後日改めてお尋ねする予定です。それについてもご快諾をいただきました。
このように市民と行政が、難しいテーマにも拘わらず問題認識に向き合う関係性を作れたのは、上尾市にとって良い事例であると言えます。来年もお願いしたいです。
●参加者の声…アンケート記入欄より
仲町 歳入を増やすのは難しいと思う。歳出削減の方が現実的、但し教育・社会福祉を除く
緑丘 非常に有益だった
富士見 法人税収入を高める方策を徹底気に検討して欲しい
本町 上尾市の財政状況が少しわかった
緑丘 歳入を増やすより、歳出を減らす努力をして欲しいです。定期的に出前講座を開催してください。空き地・空き家に関する有効活用のテーマで開催して欲しいです。
緑丘 これから老朽化する物件の建替え、修繕等、市の財政が気になります。
上町 生産性革命(その後判読不能) 進めて欲しい。(歳入に関わる技術革新)。
上町 出前講座を来年も続けて欲しい。図書館(本館と分館の在り方)。広報課(市民ニーズの把握の仕方と市政への反映について)。財務関係の第二弾
上町 質問をたくさん受けてくれたのはとても良かった。思い切り二時間枠でやってほしい。このような全市民的テーマの講座は行政とタイアップしてやれると良いと思います。休日開催の検討も。
以上
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